三味線の構造と名称



日本人の独特かつ繊細な音感に合い、叙情性あふれる音色を出すために、

三味線は細かな改良がほどこされて、現在のような形になってきました。

サワリ

一番太い一の糸だけ、棹の上端の上駒に乗せず、直接棹に触れるようにしてありわざと濁音が出るようになっています。これをサワリといい、このサワリに二の糸、三の糸が共鳴して、三味線特有の音が出ます。

三つ折れ

三味線の棹は、持ち運びに便利で、修理にも対応しやすいように、特殊な継ぎ手で三つに分解できる、三つ折れ構造になっています。(「延べ棹」といって一本の長いものもあります。)

棹のできるまで

皮は猫か犬の皮を使います。猫皮の方がきめが細かく、上等とされていますが、太棹は犬皮を張ります。猫は腹部、犬は背中の皮を使い、ぎりぎりの状態まで伸ばして張ります。この張り具合で音色のよしあしが決まります。

胴の枠は、一般に花梨という木を使います。紅木、紫檀、花梨などのかたい木(唐木)の中では木質が柔らかく、三味線特有の音色を出すのに適しています。枠板の内側は「綾杉」といって波形の刻み目を入れ胴内の空気の振動との関係で音色をよくします。